アセアンレポート タイ(バンコク)編 編集後記

こんにちは。アセアン進出支援協会の阿部です。

全5編に渡ってお送りした、アセアンレポート「タイ編」はいかがだったでしょうか。

私は今回初めてタイを訪れ、観光らしいことは特にせず、バンコク市内の病院を見学して回らせてもらったのですが、旅から帰って丸2カ月が過ぎようとしているのに、まだ熱が冷めやらない感じがあります。

 

 

 

 

 

タイについて、ザックリおさらいをしておくと、人口は約6,500万人。首都はバンコクで、使用されている通貨の単位はバーツ(1バーツは約3.53円「2019年4月13日現在」)です。

タイの経済は、名目GDPは4,870億米ドル(日本は49,710億米ドル)でアセアン第2位。1人あたりGDPは、7,187米ドル(日本は39,305米ドル)でアセアン第4位という規模感があります。約2,400社の日系企業が進出し、約7万人の在留邦人が暮らしているのはアセアンでは最大規模であり、アセアンでの良きパートナーといえるでしょう。

2003年にタイ政府がスローガンに掲げた「アジアのデトロイト構想」は奏功し、自動車産業をはじめとした工業化が促進され、タイの経済は年3%前後で推移しながら成長を遂げてきました。駐在員の生活環境が優れていることや、インフラの充実といったことが評価され、タイへ進出する外国企業を後押ししてきたといわれています。

病院にいくと、このこと(インフラ)の重要性がより顕著に分かります。海外に行って困ることってなんでしょうか。「言語」は、最近では翻訳機まで登場していますし、どうにかなりそうです。「食事」も、生水をはじめとした生ものに気をつければ、なんとか過ごせそうですが、やはり困るのは「病気」。日本でも、いわゆる医療ツーリズムを除いた外国人の対応ということに、医療機関が取組をはじめているところですが、外国人に対する取組という点では、タイのほうが進んでいるように感じました。

特に、レポートで取り上げたような民間病院には優秀な医師と看護師をはじめとして、最新の医療機器類も揃えられていますが、先進国からみると医療費は安く、逆に新興国からは高い医療技術を遠い欧米諸国まで行かなくても受けられる、というメリットが、タイにおける医療インバウンドを一つの強みに押し上げてきたと言われています。

ただその一方で、公的病院と民間病院の差はあまりに顕著であり、公的病院への予算が厳しいことは、その設備をみても明らかでしたし、予算は設備面だけでなく、当然人件費にも反映されていることが想像されました。大学病院の外来棟でみた、ストレッチャーに乗った患者さんたちが、カーテンの間仕切りもなく10~15台並んでいる光景は他のアセアンの国でもみられましたが、こうした人たちがより良い医療を受けたいと思ったら、医療費が高い民間病院を受診するしかありません。しかし、みんなが皆、良い給料を稼いでいるわけではないのです。

日本では公的病院と民間病院の差はそこまで大きくありませんし、逆に公的病院のほうが高度医療を提供していたりしますが、多くの公的病院が地方交付金をはじめとした、国からの財政支援を受けて存続しているのが現状です。タイの民間病院は株式市場に上場し、市場から資金調達をすることができますが、日本では例え民間病院でもそれをすることはできません。

医療の値段というと語弊があるかもしれませんが、日本では手術や処置をはじめとした医療行為は全て点数化され、自由に金額を設定することが許されていない横並びの現状のなか、公的病院と民間病院は言ってみれば同じ土俵の上で、医療という活動を行っていますが、公的病院には国からの財政支援があるのに対し、民間病院はこうした補填を受けることなく、運営しているわけですが、タイの民間病院では、手術や処置の値段は医師自らが決めることができる…。

海外から日本を眺めると、日本人で良かったと思わされる一方で、より良くなるためにはどうしたら良いのか、というヒントが沢山あるのではないかと思います。これは、いわゆる観光ではなかなか味わえないものです。なので、訪日外国人の人たちがモノ消費ではなくコト消費にシフトしているというのは、すごく価値のあることだと理解していますし、その積極性とコミュニケーション能力の高さにも、学ぶべきだと思います。

今回の旅では”民間病院におけるサービスの徹底”ということが、もっとも強いインパクトとして残りましたが、そうした質の高いサービスは、市場原理の中で生き残っていくためのあるべき姿なのだと理解してます。毎回新たな気づきをくれる、アセアンへの旅。おかけでまたさらに、海外への思いが深まったタイでの3日間でした。

 

 

 

 

 

各データ出所

■アセアン情報マップ2017

https://www.asean.or.jp/ja/wp-content/uploads/sites/2/2013/08/ASEAN_Mapweb_1106_201711revised_Formatted.pdf

■外務省 タイ基礎データ

https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/thailand/data.html

■世界経済のネタ帳

https://ecodb.net/ranking/group/XG/imf_ngdpd.html

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