中国経済への依存度が強まるカンボジア

2018年7月。カンボジアで行われた総選挙はフン・セン政権率いる与党が圧勝し、当地では30年以上、フン・セン首相が政権トップを務め続けいています。この総選挙を前に、前回の選挙で与党を追い上げていた最大野党は「政府転覆計画」を企てたとして、最高裁から解党を命じられ、解党に追い込まれました。

こうした背景もあり、欧米諸国はカンボジアの選挙の公平性を疑問視するとともに、独裁的な体制を強めるカンボジア政府を注視していました。そんななか、フランスに亡命していた野党指導者の「サム・レンシー」氏が、カンボジアへ帰国することを明言し帰国を試みましたが、カンボジア政府の要請を受けた経由地国が入国を拒否したため、カンボジアへの入局は叶いませんでした。

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これより少し前、カンボジア政府は、サム氏が入国すれば身柄を拘束する方針を示唆していたので、その前段階で止められたことで、大きな混乱はまずは防がれたとみることもできますが、独裁色を強めるカンボジア政府に対し、EUが場合によってはカンボジアの関税特権をはく奪する「経済制裁」も視野に入れているようです。

 

一方で、中国はカンボジアへの経済支援を強めています。

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2017年末までに、中国によるカンボジアへの直接投資額は126億ドル(約1兆3900億円)に達し、経済特区であるシアヌークビルでは2万人近い雇用を生み出したと言われています。

今回の野党指導者の処遇を巡って、EUが経済制裁に踏み切った場合、カンボジアの主要な輸出産業である縫製品の輸出の4割がEU向けといわれているなか、カンボジア経済に与える影響がどうなるかが注目されます。

カンボジアと中国の経済的関係をみてみると、対中国では輸出が約7%、輸入は約37%と、圧倒的に輸出<輸入の構造になっており、ここへきて、最大輸出国であるアメリカ(約21%)がEUに追随すれば、カンボジア経済は大きな痛手をおくことになるかもしれません。

関連データ出典 外務省WEBサイト https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/cambodia/data.html

 

南シナ海問題でも、中国よりの姿勢をとっているカンボジアと中国の関係が、引き続き注目されます。

(記事担当 阿部)