環境問題待ったなし

こんちには。アセアン進出支援協会の阿部です。

今年の冬は暖冬で、スキー場に雪が少ないというニュースをよく耳にしました。夏に開催が予定されているオリンピックのマラソンも、会場が東京から札幌への開催に変更されるなど、環境にまつわる問題が様々なところへ波及しています。

2018年11月、シンガポールで行われたアセアン関連首脳会議で「ASEAN+3海洋プラスチックごみ協力アクション・イニシアティブ」が提唱されました。これは、日中韓との連携のもと、3R(リデュース、リユース、リサイクル)や廃棄物処理に係る能力機構、あるいはインフラ整備といったことについて、アセアンを支援していくとともに、海洋プラスチックごみ問題に係る意識啓発や科学的知見の充実・共有等の域内協力を進めようというものです。

海洋プラスチックごみ問題というと、プラスチック製のストローが鼻に刺さったウミガメの映像が一気に世界を駆け巡り、注目を集めるきっかけとなりました。また環境中に捨てられたプラスチックごみが川から海へと至る過程で、波の力や紫外線の影響により細かく砕けてマイクロプラスチックとなり、これを飲み込んだ鳥や魚の体内から発見された映像がとても印象に残っています。

オーストリアのある研究グループの調査によれば、日本人を含む世界8カ国の全員の便からプラスチックが 検出されたという報告があったり、WWE(世界自然保護基金)の報告では「1週間に平均5gのプラスチックを体内に取り入れている」という研究結果が公表されており、環境問題はまったなしの段階です。

 

アセアンの各国は、中国が2017年末に廃プラスチックの輸入を制限したあと、仕向け先の代替地となっていました。しかし、世界でプラスチックごみの海洋投棄が問題になり、そのやり玉にあがったのも、またアセアンでした。海洋に流出したプラスチックごみの発生量にはアセアンの国々で濃淡がありますが、アセアン域内としてあわせると、中国を超えるプラスチックごみが海洋中に発生しているという報告もあげられているそうです。

冒頭にあげた2018年11月のアセアン関連首脳会議の翌年6月には、アセアン首脳会議で「海洋に流出するプラスチックごみ対策の指針」を示した『バンコク宣言』が採択されました。これをうけ、タイ政府は2025年までにストローやカップといった主要な使い捨てプラ製品の使用を取りやめる計画の発表し、タイの小売業協会に加盟する2万店以上の店舗はこれに一斉に呼応し、すでに2020年1月1日から買い物客へのプラスチック製レジ袋の無償提供を停止しています。

東南アジアの国へ行くと、路肩に無造作に廃棄されたごみが気になることがありましたが、今後はこうした光景もなくなっていくのかもしれません。

 

 

 

 

 

(ラオス ビエンチャンの建設現場前 撮影2015年)

 

昨年、国連の気候変動サミットでスピーチをしたグレタ・トゥンベリさんもまた、瞬く間に世界から注目を集めましたが、環境問題は私たち一人ひとりの行動にかかってくるものであり、一人が声を大にしてどうにかなるものではありません。

日本でも2020年7月からごみ袋の有料化が全面的に施行されますが、金銭と引き換えにするだけでなく、私たち一人ひとりが環境問題を自らのこととしてとらえ、減らしていくこと自体を考えていかなければならないことだと理解しています。