ミャンマーの安寧を願って(3)

こんにちは。アセアン進出支援協会の阿部です。

 

2回にわたって、ミャンマーで起きたクーデターの背景を整理してきましたが、ミャンマーがこの先どうなるのか、先行きは予断を許しません。

▼ミャンマーを通してみるアセアン

1967年にアセアンが設立されてから遅れること30年。ミャンマーがアセアンに加盟したのは、1997年のことです。

 

アセアンは第二次大戦後の東西冷戦という見えない大国同士の争いのなか、かつて欧米諸国の植民地とされてきた東南アジアの国同士が団結し、反共産主義同盟的は色合いを強く持った集まりでした。のちに冷戦が収束すると、自国の経済発展のためにさらに多くの国が団結をはじめました。

 

1967年発足時の原加盟国(インドネシア・シンガポール・マレーシア・フィリピン・タイ)の5カ国から、1984年にブルネイが加盟、翌1995年にはベトナムが加わし、1997年にはラオスとミャンマーが加盟しました。そして、最後まで内戦で揺れていたカンボジアが1999年に加盟したことで、アセアンは現在の10カ国体制となり発展してきました。

 

アセアンは、3つの領域で共同体の形成を目指してきました。

一つ目は、安全保障の共同体(アセアン安全保障共同体:ASC_ASEAN Security Community)
二つ目は、経済での共同体(アセアン経済共同体:AEC_ASEAN Economic Community)
三つ目は、文化面での共同体(アセアン社会文化共同体:ASEAN Social and Cultural Community)

 

上記のように安全保障面、経済面、文化面における共同体をアセアンは目指してきました。しかし、アセアンを構成する10カ国は、民族・言語・宗教どれをとっても多様性に富んでいることから、「バランス」が重視され共同体における意思決定が進められてきました。

▼ASEAN WAYが機能するか試されている

意思決定においては「対話」がなにより重視され、加盟国の内政には干渉しない「内政不干渉の原則」をとりながら、アセアン方式と呼ばれる気の長いやり方で、これまで共同体の構築が進められてきたのです。

 

そのため、今のミャンマーに対しても、アセアンの周辺国が強い影響力をもって何かを述べることは難しい状況にあることは想像に難くありません。インドネシアやシンガポールなどは、ミャンマーの民主化プロセスを回復させるべく模索していると伝えられていますが、有効な解決策が見いだせないまま、2カ月の時が過ぎようとしています。

 

アメリカは経済制裁の強化へと舵を切り始めました。イギリスも同様です。日本は追随しないまでも、ODAなどの新規案件には慎重な姿勢をすでにみせはじめています。

 

▼民主主義は幻想なのか

個人の意見を言わせてもらえば、軍は尊重するべきものである一方で、やはり国の在り方としては、人々の自由な意志と活動は保障され、闊達たる空気のなかで人としての生活はあるべきものではないかと考えます。そこには成功もあれば失敗だってあることは避けられません。

 

しかし、情報はコントロールされ、読む本・耳に入るニュース・教育が一握りの人間やシステムが決めたなかで執り行われ、自らの意志で他を知ることができないまま人生を終えるなどといことは、想像するだけでも空恐ろしさを感じずにはいられません。

 

嬉しいことも、哀しいことも、悔しさも、時には惨めささえも感じることがあるかもしれませんが、それが生きるということなのだと思います。生きること、それは日々を告白していくこと。決して一握りの人間やシステムに統制された下で生を終えることではないと私は思いたい。

 

2015年の9月、ミャンマーを訪れたことがあります。本当はこれより半年ほど早くミャンマーを訪れる予定だったのですが、渡航予定の前日に緊急入院をしてしまったことがありました。身から出た錆的なトラブルがあったものの、最初の渡航予定でガイドを務めてくれる予定だったミャンマーの男性とは、この時の縁で今もFacebookでつながっています。

 

2月1日のニュースを聞いて、すぐにメッセージを送りました。今も彼の投稿を通して、ミャンマーの状況などを垣間見ることができますが、ミャンマーの人々の多くが民主化を歓迎していたことが感じられ、ミャンマーの人々にも自由が訪れることを願ってやみません。

 

ミャンマーの動向は、アセアンにも大きな影響を及ぼすことは避けられそうにありません。これまでどのように記事を書けば良いのかという迷いがありましたが、ミャンマーの問題を避けてはアセアンを見ることすらできなくなってしまうという思いもあります。

 

上手く思いを伝えられるか分かりませんが、これからもこの問題から目を逸らさずに取り上げていきたいと考えています。

 

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